自由を夢見るリーマンの投資雑感

脱サラを目指し、日々トレードに励むサラリーマンが投資で勝つために気付いた事や感じた事を記事にしていきます。25歳。主にビットコイン、株。

相場を作るのは人である

今回は、僕が相場の世界に入り全く勝てない時期に完全に抜け落ちていた視点についてお話しようと思います。それはタイトルの通り、「相場は人が作りあげる」という事です。この言葉を聞いたとき、すごく当たり前のように感じる方がいるかもしれません。実際、価格が上がるのは誰かがそこで買うからであり、下がるのは誰かがそこで売るからです。しかし、今回僕がお伝えしたいのは当たり前に感じていた事こそ実は理解していなかったという経験です。事実、僕は初心者の頃ここをきちんと理解していなかったが為に苦しみ続けました。何に苦しんだのか。それは相場の中で生まれる様々な矛盾や例外に、です。ここは僕だけでなく多くの投資家が苦悩するポイントだと思いますので、これから詳しく説明したいと思います。

 

<テクニカルを信じて生まれた葛藤>

 みなさんは投資を行うとき、何を根拠にトレードしているでしょうか。やり始めたばかりの初心者であれば、野生の勘と答える方もいるかもしれません(笑)。しかし、ある程度経験を積まれた方の多くは何かしらの理由に基づいてトレードしていると思います。例えば株であれば、財務諸表や決算などを見て本来の価値に対して割安な銘柄に投資するファンダメンタルズ分析を用いる人もいるでしょうし、またある人は過去の値動き(チャート)から将来の株価を予測するテクニカル分析を根拠にする人もいるでしょう。僕自身、投資を始めた当初テクニカル分析を根拠にトレードしていました。というよりも当時はテクニカル分析を信じていたという表現のほうが近いかもしれません(笑)。サポートやレジスタンスラインを引いてみたり、移動平均線のクロスやボリンジャーバンドを使ってみたりと、テクニカルの中でも比較的わかりやすいものを選んでトレードしていたと思います。しかし、どれだけ実践しても上達するどころか、相場がどんどんわからなくなっていったのです。サポートラインを見て、これは典型的なWボトムの形だ!と自信を持って買ったときに限って下抜かれたり、今度は少しでも確率を高めようと移動平均線を下から上にクロスしたときのWボトムだけエントリーしてみたりと、色々工夫を加えましたがやはり上手くいかない。何が間違っているのか、どうしてこんなに上手くいかないのか。その原因がわかるまでにおよそ1年かかりました。

 

<突然生まれた大事な気付き>

 気付くきっかけは当然訪れました。あるとき、いつものようにWボトムを根拠にトレードしていて、いつものように下抜かれてやられた時にこんな事を思ったのです。自分はテクニカルを根拠にここで反転すると信じているが、もしWボトムなんて気にしていない、テクニカルなんてそもそも気に掛けていない大口トレーダーがここを売ってきたらどうなるだろうか?例えばただトイレに行きたいから、スーパーに出かけるからというくらいの理由で売ってきたらどうなるだろうか?こう思ったときに頭の中に電撃が走るくらいの衝撃があったことを覚えています。

 僕は今までテクニカルを信じきっていた。そのためか、いつからか価格が無機質に動いているものとして捉えるようになった。将来の動きはチャートが決めると言わんばかりの感覚。相場の背後にいる人々の存在を頭の中で認識できていなかったのです(少なくともトレードしている最中は)。トレード画面の奥には自分と同じように画面を見ている沢山のトレーダーがいます。そしてそのトレーダーの数だけ考え方も違えば、性格や資金量も違うし、立場も多種多様にあるはずです。僕がどれだけテクニカルを意識したとしても、他の人がそれを意識していなかったり、何らかの理由で大きめのポジションを処理しないといけない事情がある人がいたとすれば、僕のこの考えは勝手な妄想にすぎないのです。全ての人が自分と同じ考えを持つことはありえないし、一人ひとり抱えている事情もちがう(含み益の人もいれば含み損の人もいる)、そもそもみんながみんな理由をもって投資行動をしているとも限らない。こう気付いたときに、今まで感じていた相場の矛盾や例外、思い通りにならない事が多すぎる葛藤がいつまで経っても無くならない理由がわかったのです。つまり相場を作るのは人であり、人には多種多様な考えや思惑がある。それ故に相場はいつどんなときでもどのようにでも動くんだと理解したのです。そして今まで上手くいかなかったのは「相場を作るのは人なんだ」という事実を頭の中で理解しているつもりになっていただけで、本当はわかっていなかったから。わかっていないからこそ相場の中で生じる様々な矛盾や葛藤を心から受け入れられず、テクニカルによってそれを排除する方向に向かっていったのです。

 

<葛藤の雲が晴れて>

 この事に気付いてから僕のトレードは質的に大きく変化しました。今までは相場を無機質に捉えてトレードしていましたが、その後は何よりもまず画面の向こう側にいる「人」を意識するようになりました。そして人の気持ちを汲み取った投資判断をするようになったのです。その結果、僕のトレード成績は以前と比べて見違えるほど向上しました。今でもテクニカルは使用していますが、昔と決定的に違うのはそれが無機質なものではなく人間心理に裏付けられたものであるという点です。

 

<今回のまとめ>

 この経験から学んだことはファンメンタルズやテクニカルを学ぼうとするのは重要ではあるが、正しい認識のもとに行われていないとかえって毒になったり、葛藤を生む原因にもなりうるという事です。正しい認識とはここまでお話した通り「相場を作るのは人である」という前提です。この認識は学んだ知識を生かすための土台となる大切な部分になりますので、投資で上手くいかない方は特に意識して頂きたいと思います。